既製杭工その1の巻き

nakanaka

2007年01月04日 20:04

みなさん、本日より既製杭の施工についてのお話を始めますじっくり見て下さいね

本現場で採用されている工法は中掘り根固め工法というもので、杭の中にスクリューを差込み先端に掘削用のヘッドを取り付けますそれを地中に押し込み掘った土は杭の中からスクリューを使い排土する仕組みになっていますまた、杭長が最長15mまでしか生産できない為、それ以上の杭長が必要な場合は杭を継いでいく作業も加わります

ちなみにコンクリートパイル協会発刊の既製コンクリート杭の施工管理によると、中掘り根固め工法は打撃を用いず杭の自重および圧入により杭を沈設するとあります打撃を用いない為騒音が少なく周辺環境への影響が少ない為市街地での施工に向いているといえるでしょう

先に述べたように本現場での杭は、耐震性、経済性を考慮した結果下杭にPHC杭、上杭にSC杭を用いていますよってすべての杭に溶接作業があります溶接箇所は構造的にウイークポイントとなりやすい為に溶接作業完了時に欠陥がないか試験も行いますその部分にも触れていきますね

では、あれこれ書いてもわかりにくいので写真を入れていきましょう

まずは使用する杭の検収ですちゃんと設計どおりの長さ、径がありますね

PHCも





SCも





検収が終わったらスクリュー等をセットして杭を杭打ち機にセットしますそして設計位置に建て込みの作業です



うん、ちゃんと所定の位置ですね



そののち杭を沈めていきます



でも、そのときに杭がちゃーんとまっすぐ沈んでいるか確認しないといけませんね

オッケー、ばっちりです



下杭を沈めたところで上杭との溶接作業がまっています溶接の前に溶接面をきれいにしないといけませんね



もちろん上杭も



さあ、上杭を乗せます



で、溶接!おっと、アワテナイアワテナイその前に下杭に上杭がちゃんとまっすぐ乗っかっているか確認する必要があります

まずは縦方向のズレはないか確認です2㎜以下だと合格です

うん、大丈夫です



次は上下杭の隙間の確認です4㎜以下だと合格です

これも大丈夫ですね



では、溶接開始~

今回は開先と呼ばれる溶接の為の隙間の深さが14㎜ありますので、3層の溶接を行います

では1層目



ほれ2層目



とどめの3層目です



さあ、完了しました



溶接が完了したところで、試験を行いますこの試験は浸透探傷試験といいます溶接に亀裂や、有害な等が無いかを探す試験です

まず、溶接面を専用液で清掃した後に浸透液なるものを散布します赤い液体でもし溶接面に亀裂などがあるとその中に浸透していく性質があります



しばらく置いたのちに、表面の余分な浸透液を洗浄液で洗い流します



表面をきれいにしたら現像液というものを散布しますこのとき、亀裂等があればその中の浸透液が染み出してきて現像面が赤くなりますつまりはそこが欠陥箇所となるわけです

今回はばっちりです



さあ、溶接も終わりましたねそれでは上杭も沈めちゃいましょう



あ、もう沈んじゃいましたでも、今回は設計上の杭頭が現在の地盤より下にありますその場合は、ヤットコと呼ばれるものを使いますこれを上杭の上に脱着可能なように取り付けますそして、そのまま地面に沈めていき上杭の杭頭が所定の高さまできたら沈設を止めヤットコを引き抜くのです

では、写真をと思いましたが今日はこの辺にしておきましょうあまりたくさん書くと理解しにくくなると困りますからね

では続きはまた後日お楽しみにー

あっ、最後にオマケです

現場でこのようなものを配りました



年末年始、お酒を飲む機会が増えますからね絶対に飲酒運転をしないように皆さんの携帯や車両の鍵などに付けてもらいました



みなさんも、飲酒運転は絶対にいけませんよ飲んだら乗らないを心がけましょう